他の70-80%のスーパーノードだけでは不十分だったのか?

一部のスーパーノードがダウンした結果、残されたスーパーノードには想定以上の負荷がかかることになった。まず、クラッシュしたWindowsクライアントをみなが再起動したため、P2Pネットワークに対して一斉に接続要求が飛び交いはじめた。おまけに、最初の障害が発生したのがグリニッジ標準時で18時というのも良くなかった。この時間は、全世界でもっともSkypeネットワークが使用される時間なのだ。これらが組み合わさった結果として、スーパーノードは通常の100倍近い要求をこなさなければならないことになった。

スーパーノードには、こういった爆発的な要求の増加からスーパーノード自身を保護する機能が備わっている。運用パラメータが通常の範囲を逸脱すると、スーパーノードをホスティングしているネットワークに迷惑をかけないために、一時的にスーパーノード機能を停止するのだ。だから、一度に100倍近い要求を受け取ったスーパーノードは、保護機能が働いて、スーパーノードとしての役割を放棄したはずだ。そして、残されたスーパーノードにはさらに多くの要求が送られることになり...数時間後、完全な、全世界的な障害が発生した。

残念なことだ。サーバの過負荷、Windows版クライアントのバグ、スーパーノードの現象...複数の要因が絡み合うことで発生したこの障害は、おおよそ24時間続くことになった。