同人屋が1万円のRAIDケースを試してみた(開封編)

同人サークルにとって、データは神様です。
比喩ではありません。SAIやPhotoshopで原稿を作成するのがあたりまえになったこんにち、作成した原稿が飛ぶことは単に新刊を落とすことを意味するだけではありません。
刷り版の保存がごく短期な同人印刷において、「手元のHDDが故障する=これまでの活動記録が全部消える」ということにもなりかねません。

合同企画では、データのバックアップはさらに重要になります。消失したデータが自分の原稿ならまだ諦めもつきますが、他人から預かった合同企画用の原稿を消失してしまうと、培ってきた信用も、データと一緒に電子の藻屑と消えてしまいます。

高速・大容量で安全にデータが保管できる、安価で手軽なストレージを導入すれば、「PCが物故われて新刊落としました...orz」といった悲しい事故を減らせるはずです。
幸いなことに、RAIDケースは年々値下がりを続けています。数年前まで10万円を超えていたような製品が、いまでは数万円で買えることも珍しくありません。廉価なモデルだと1万円を切ることも。
同人屋の平和と安眠のために、安価なRAIDケースの実力がどんなものか、詳しくチェックすることにしました。

開封の儀

モニターする製品はこちら、ラトックシステムのRS-EC32-U3R。HDD2本でRAID0・RAID1を構成できる、USB接続のRAIDケースです。

Amazonで\8679也。一万円を切るシンプルなモデルながら、ホットスワップUSB3.0に対応など、必要なところはきっちりツボを押さえているのが好印象ですね。


開封すると、書類の入ったビニール袋が出てきます。中には、マニュアルとCD-ROM、1年間の保証書が入っています。


内容物をすべて出したところ。書類の入った袋と本体、USB3.0ケーブル、白い小箱の4点でした。


小箱に入っていたのは電源ケーブル。100V-240V,50-60Hz対応のものです。


付属していたUSBケーブル。USB2.0以前とはコネクタの形と色が違います。
USB3.0対応になったおかげで、転送速度はeSATAより速い4.8Gbpsを誇ることになります。もちろん、実際はHDDのリードライト性能がボトルネックになるでしょうが、それでもケーブル一本でギガビット通信が可能になるとは、感慨深いものがあります。


本体正面。LEDでHDDの状態を通知してくれます。


底面にあるロックを外すと、前面パネルを外してHDDを挿入・交換することができるようになります。


本体背面。現在の動作モードを表示・変更できます。ケンジントンロックつき。


CDと大きさを比べてみました。高さはだいたいCDケースと同じくらい。


奥行きはCD1.4枚分くらいです。


ちなみに、比較に使わせていただいたCDは『極東アウトブレイク2』です。インディーバンドとか好きな人にオススメですよ!(勝手に宣伝)

インストール

さっそくHDDを取り付けてみましょう。今回用意したHDDは3本。

日立グローバルストレージテクノロジーズの同型番を2本と、Seagateのものを1本です。
1本余分なのは、違う回転数・メーカのHDDを挿入しても、きちんと動くかどうか試してみるためです。
それにしても、2TBのHDDがコンスタントに\7000円以下で買えるとは、すごい時代ですね...。


HDDの取り付けはワンタッチ。パネルを外して挿し込むだけです。ケーブルもネジもありません。


まずは電源ケーブルだけを接続し、スイッチを入れます。


背面の動作モードLEDがSINGLEで点灯したら、USBケーブルを接続します。カチッと音がなるまで接続するのがポイント。


きちんと接続できていれば、自動的にドライバがインストールされます。ついでに、付属のCD-ROMもインストールしてしまいましょう。


タスクトレイに追加されているRAID監視マネージャを呼び出すと、現在の状態を見せてくれます。


チェックボックスをオンにしてRAIDモードを選び、RAID作成ボタンを押せば、1分ほどで使えるようになります。

開封からHDD設置、ソフトウェアインストールまで含めて、ここまでにかかった時間は15分ほど
詰まるところや難しい設定もなにひとつ必要ありませんでした・・・・・・。

それでは、実際にファイルコピーでどれくらいの速度が出るのか試してみましょう。
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